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HOME LCARSアニメ製作マニュアル 第 9 回 基本テクニック a
ここではLCARS フラッシュアニメーションにあるようなフラッシュを使ったLCARS アニメーションの作り方を紹介します。

9. 基本テクニック a

キャプチャ画像を利用する(画像修正)

資料としてビデオや DVD からキャプチャした LCARS 画像で、それと同じアニメーションを作ろうと思ったとき、キャプチャー画像に映っているモノをそのまま使いたくなるときがあります。

ただ、そのシーン(キャプチャー)がそのまま使えることは多くはなく、まずは何らかの手を加えないといけません。 ここでは例を二つ挙げて、その画像修正の方法を説明していきます(それぞれの LCARS アニメーションが未見の人は、先にダウンロードして見ておくと良いでしょう)。

『ファーストコンタクト』より

例 1.)

これは映画 『ファーストコンタクト』 の冒頭、ピカード艦長がヘイズ提督からの通信を作戦室で受けるシーンのキャプチャーです。 このアニメーションを作るために、デスクトップ端末に映っているヘイズ提督をそのままを利用することにしました。 それが拙作 LCARS'z No.011 [First Contact Transmission] です。

このシーンと同じアニメーションを作りたい場合、これはもうキャプチャー画像をそのまま使わないと作れませんね。 しかし、スタートレックでままあるこれと同様のシーンは、いつも真正面から撮られるとは限りません。 こういう画面に映っている物は、当たり前ですが真正面からのが欲しいわけです。

並行及び垂直ではない

この画像はもう言うまでもなく、画面に対して水平・垂直ではありません。 それから、 使うのはヘイズ提督(LCARS デスクトップ端末の表示域)だけですから、それ以外は切り取らないといけません。 順番として以下のようになります。

  1. 簡単なトリミング
  2. 傾きを修正
  3. 完全なトリミング

最初のトリミング

まず、グラフィックソフトには四角形の 「選択ツール」 というのがあるハズですので、まずはそれを使って、画面の端末を残すようにしてこの場合は DVD 特有の上下の帯部分、ピカード艦長の横顔などを削除していきます。 これは大体でいいです。

まずは上端を水平にする

こうやってトリミングされたモノを、次に傾きを水平にするためにいくらか回転させる訳ですが、これには左画像のように試行錯誤して角度を決めるか、マウスで直接グリグリ回転させられるのならそれを使います。 ここら辺はグラフィックソフトの性能・機能によります(私が使っているモノはマウスで自由回転出来るのですが、その時に枠だけが動いて実像が動かなく確認しづらいので、やむなくこのような “角度決め回転” をしています)。

この時に合わせるのは、画面の中のデスクトップ端末の上端の水平です。

水平になった上端

前回の処理により水平になったのは、デスクトップ端末の上端だけですね(赤線)。 こういう斜めから撮影されたものは、上端だけを基準にして水平に修正しても、下端は揃ってはくれません(青線)。

さらに悪いことに、画面に対するデスクトップ端末の垂直もおかしく、斜めに傾いていますね(緑線)。

さぁ、これをどうやると思います?

左端を垂直に修正する

実はこういうのを修正するために、グラフィックソフトには 「自由変形ツール」 というのがあります。 名称はソフトによって違いますが、たいていのソフトにはあると思います。

このツールを選択して、まずは端末の左側の垂直を出すために左方向へ変形させます。 この時に先ほど水平にした上端を動かさないよう注意します。 ここまで終わったところが左画像です。

上端の水平に続き、左側が垂直になりましたね(緑線)。

続いて右端を垂直に修正する

今度は端末右側が垂直になるよう修正します。 ホラ、段々と良くなってきましたね。 残るは下端を水平に・・・。

修正完了!

修正完了! どうです? キチンと画面で水平・垂直になっているでしょ?(赤線・青線・緑線)

あとは左画像の不要な枠部分をトリミングすると、 画像修正が済んだ真正面の提督 のような、真正面を向いたヘイズ提督の画像が得られるわけです。

ただ、このままだとヘイズ提督が痩せて見えるので、実際のアニメでは横方向に 110 %ほど拡大させたモノを使っています。

『ネメシス』より

例 2.)

これは映画 『ネメシス』 の冒頭、惑星コララス 3 上にあるポジトロニック波の発生源が特定されますが、その LCARS ディスプレイのズームアップシーンのキャプチャーです。 このシーンのアニメーションを作るために、この地表画像をそのまま利用することにしました。 それが拙作 LCARS No.054 [Nemesis Topographical Scan] です。

このコララス 3 の地表図は、一からグラフィックソフト等で描いても良いのですが、やはりこれはそのまま使ったほうが早いし、楽ですよね(実は途中で描くのを断念した口です)。

ただ、これもやっぱりそのままでは使えなくて、黒色の等高線(?)と前面の黄色の枠線・数字を消してしまわないといけません。 これは例 1 よりもずっと簡単なので、修正方法をざっと説明していきます。

地表をトリミング

まずは上下の黒枠を消してトリミングします。 ちなみに元の画像は 720x480 のサイズで、トリミングをしたら 720x362 になりました。 こんないい素材は滅多にあるものじゃありませんね。

左上隅を拡大

これは上でトリミングした地表画像の左上隅の拡大(原寸サイズ)したモノです。

黒色の等高線は別にそのままでもいいように思いますが、この画像自体をモーショントゥイーンで拡大させるので、これは Flash 側で描いたほうが見た目が綺麗になります。

同じ理由で升目と数字も消すことにします。

ひたすら修正していく

ツールに 「ずらし指」 というモノがあれば簡単ですが、なければ 「エアブラシ」 ツールで周囲の色をピックアップしながら、手間ヒマ掛けてゴシゴシと消していくだけです。

どちらかと言うと、色の薄い黄色の升目と数字のほうが楽のようです。 ま、どちらもかなりの根気を必要とするのは変わりないのですが。 気分を落ち着けて、何日かに分けてやるといいかも。 焦りは禁物。

ちなみに、このアニメーションでは 3 枚の別々な画像を使っています。 つまり、同じ作業を 3 回も繰り返さないといけなかったという・・・。

見事に線が消された “サラ” の地表画像

そうやって気が狂いそうな作業の後に出来たのがコレ。

見事に線が消された “サラ” の地表画像

で、先ほどと同じく左上隅の拡大画像。 綺麗に等高線と枠と数字が消えています。 ちなみに、全部終わるまで丸 3 日かかりました。

あとはこれを Flash に読み込んで使うだけです。

なんか LCARS アニメの作り方の解説ではなくて、画像修正テクニックを紹介するページのようになってしまいましたね。 ま、覚えておくと色んなところで役立ちます。